新潟県上越市 料亭 宇喜世

200年前からの口伝え 七転八起のだるま精神

 現在の仲町は江戸時代に田端町と呼ばれ、高田城の築城に伴い、直江津の福島城から魚市場など城下町も丸ごと移転した。  宇喜世はこの頃、魚の卸業だったようで、200年近く前からの営業が口伝えされるが、史料をさかのぼると、少なくても約140年前の明治14(1881)年に創建された。魚の卸業は江戸末期に仕出し屋に転じ、明治の初めまでには割烹料亭になり今に至る。東門、北門、建物は国登録有形文化財。
 屋号の「宇喜世」は造語で、「宇宙=世の中を喜ぶ」気持ちが込められている。仲町通りの東門にある看板のだるまの絵も、世の中は七転八起、嫌なことがあっても酒と料理でリフレッシュし、翌日また頑張ろうというメッセージを送る。
 建物は、国の重要文化財の浄興寺に続く大門通りにあり、周辺には65の寺院・神社が連なる全国的にもめずらしい寺町がある。地域を代表する歴史的景観資源となっている。
 内部の客室は10部屋。1階奥の竹の間は、昭和8年と21年に高松宮宣仁殿下が利用された。松の間は45畳のスペースで、眼前の興趣あふれる日本庭園の景観を楽しむランチの場としても人気だ。2階の大広間はひのき舞台のある153畳の広さで、天井絵や欄間、床の間両脇の豪快な自然木と磨き丸太の床柱など、意匠に富む造りになっている。
 周辺の高田城は、徳川家康の六男、松平忠輝の居城として造られ、その敷地内の桜は日本三大夜桜として、毎年百万人近い観光客が訪れる。

写真の北門をはじめ、東門、建物が国登録有形文化財となっている。

153帖の大広間。反対側には、ひのき舞台がある。写真は、百年料亭ネットワーク設立総会の宴席。

宇喜世のシンボルのだるま。室内のいたるところにだるまのデザインが施されている。

大きな窓から眺める庭。雪景色など、四季折々の情緒を味わえる。

2017年にリニューアル。水車の間は、伝統工芸の組子細工をあしらえた。

2017年にリニューアル。春の間は、天然の弁柄を壁いちめん塗り替えた。

毎年3月から5月にかけて、本場の京都芸妓が舞を披露する。

お食事

美味しい日本酒と合わせて、夜の会席料理を。

予約なしでいただけるランチは、1,300円から。高田ひめ御膳。

特選お造り御膳。お客様の接待等、少し贅沢な百年料亭特選ランチも好評。

ネットでも購入できる宇喜世の味。手前から時計回りで「煎り鶏」「かき山椒オイル漬け」「牛すき」。

周辺観光のご案内

謙信公祭
謙信公祭は越後の龍と呼ばれた上杉謙信の遺徳を偲び、毎年8月に居城春日山城を中心に行われている。周辺には、謙信が幼少の頃学んだ林泉寺や、謙信を祀った春日山神社などがある。

浄興寺
浄土真宗の開祖 親鸞聖人は、1207年に念仏禁止令により越後の国(上越市)に流罪にされた。浄興寺は親鸞聖人によって創設された寺院で、本堂は国指定重要文化財に指定されている。写真は親鸞聖人の御頂骨を安置する本廟。
http://www.johkohji.com/

店舗情報

  • 所在地
    新潟県上越市仲町3-5-4
  • 営業時間
    午前11時30分~午後2時 午後5時30分~午後10時
  •  
    毎月第2月曜休み 不定休
  • 問合・申込
    025-524-2217
  • アクセス
    えちごトキめき鉄道 高田駅から徒歩約5分
  • WEBサイト
    http://www.ukiyo.jp/