高知県高知市 得月楼

明治の伝統を新しい感覚で今に伝える土佐の老舗

 得月楼は自由民権運動発祥の地として知られる高知市の中心部、はりまや橋のたもとにある。
 明治3年、「陽暉楼」として創業。宮尾登美子の小説であり映画化もされた『陽暉楼』の舞台として広く知られている。創業時は、会席料理の導入、書画会、大墨画会など当時としては斬新な企画を次々と開催し、文人墨客に愛され賑わっていた。
 明治11年に得月楼に改名されたあとも今日までその歴史と伝統を受け継ぎ、数奇屋造りの佇まいが南海第一楼とうたわれた当時の姿をしのばせている。
 大広間の天井板は長さ10メートルの魚梁瀬杉の一枚板。戦後の昭和25年、建築士柳生氏によって設計されたもので、実際は12メートルほどのものになる予定だったが、運送の際にどうしても通れない所があり、 仕方なく2メートルほど切り下ろしたという。平成17年には登録有形文化財に指定された。
 料理は山海の幸をふんだんに使った豪快な料理 「土佐名物/皿鉢料理」や旬の素材を活かし、初代板前より 受け継いだ技の粋を集めた「土佐会席」を中心に、土佐ならではの味を楽しめる。なかでも毎年1月中旬から3月中旬頃にかけて咲く盆梅300鉢余りを 鑑賞しながらの「盆梅会席」は圧巻。200年から300年の歴史を持つこの盆梅は、 日本一の呼び声高く全国各地から訪れる目当ての客は数多い。
 明治来の伝統と新しい感覚でおもてなしする 得月楼。土佐路とともにぜひ味わってみたい。

歴史をかんじさせる堂々とした構えの玄関。

登録有形文化財に指定されている大広間の天井板。

「盆梅展」では5代に渡り育てた秘蔵の盆梅200鉢余りが並ぶ。

幕末の著名な庭師による庭園。

戦前の建物で釘を1本も使っていない南博邸。

明治3年「陽暉楼」として創業。

河田小龍軸「江口の君」。著名人の書画も多数所蔵されている。

お食事

睦月会席
初代より受け継がれてきた土佐会席は月替りで楽しめる。

文月会席

鰹たたき(姿造り)皿鉢
山海の幸に恵まれた土佐の魅力を繊細かつ豪快に盛り込んだ皿鉢料理。

組物皿鉢

周辺観光のご案内

桂浜
白砂青松、月の名勝でもある桂浜には坂本龍馬像をはじめ、坂本龍馬記念館、桂浜水族館などがあり、ゆっくりと楽しめる。

高知城
初代土佐藩主・山内一豊によって、1601年に築城が始められた高知城。1727年に火災で焼失するも、1753年にほぼ全城郭を当時の姿に再建。天守や本丸御殿、追手門など15棟が国の重要文化財に指定されている。
http://kochipark.jp/kochijyo/

店舗情報

  • 所在地
    知県高知市南はりまや町1-17-3
  • 営業時間
    午前11時~午後2時 午前5時~午後10時
  •  
    年末年始休み
  • 問合・申込
    088-882-0101
  • アクセス
    JR土讃線高知駅から 徒歩約7分
  • WEBサイト
    http://www.tokugetsu.co.jp/