長野県松本市 割烹 松本館

99畳の「鳳凰の間」 亭内さながら美術館

 明治23(1890)年の創業で、国宝松本城の三の丸総堀跡に建築された。
 現在の建物は昭和10年に2代目の館主が建て直した。1階にこだわりの6部屋、2階に99畳の大広間「鳳凰の間」があり、中庭にせり出すように朱色の中華風の八角堂手洗棟があり、鳳凰の間を含む旧館建物と八角堂手洗棟が国の登録有形文化財に認定されている。
 そもそも建物は「松本の賓客をもてなす座敷に」と東京目黒の雅叙園をモデルに建てられ豪華絢爛な装飾が施され、荘厳のひと言。鳳凰の間は高村光雲の弟子で松本出身の彫刻家・太田南海が設計、監修、彫刻を担当。「百花百鳥」をテーマにした天井画は、横浜の金子嶺挙が3年8カ月も同館に滞在し制作。折上げ格天井に鶴の絵、組子障子の腰板には天井の鶴と対の亀が数多く描かれている。正面の一対の床柱は、立身出世の滝登りのコイと中国の逸話による仙人と桃源郷の仙女を彫り、延命長寿を描いている。反対側の舞台の天井には白鳳凰が描かれ、舞台背景の松羽目は反転すると満開の桜絵になる仕掛け。どんちょうの親子獅子は、日本画家の前田青邨の代表作で、東宮御所にある国宝の屏風絵を画伯の薦めで写し織られたという。
 格調高い部屋で提供される料理はこだわりづくしの四季の素材を使ったメニュー。日本料理一筋に老舗の味、郷土の味を守り抜く板長自信の逸品をそろえる。骨まで食べられる「鯉こく」は創業以来の名物料理。宮澤裕佳理おかみの名調子の解説と立ち居振る舞いも人気だ。1階には6部屋ある。全室個室で2人以上の予約制。

鳳凰の間は高村光雲の弟子で松本出身の彫刻家・太田南海が設計、監修、彫刻を担当した。

八角堂手洗棟は国の登録有形文化財に認定されている。

南と西側の大きな窓から庭園を眺められる。千種の間(4~10名利用)。

舞台背景の松羽目は反転すると満開の桜絵になる仕掛け。

どんちょうの親子獅子は、日本画家の前田青邨の代表作。東宮御所にある国宝の屏風絵を画伯の薦めで写し織られた。

折上げ格天井に鶴の絵、組子障子の腰板には天井の鶴と対の亀が数多く描かれている。

お食事

料理は、板長自信の逸品をそろえる。こだわりづくしの四季の素材を使ったメニュー。日本料理一筋に老舗の味、郷土の味を守り抜く。

創業当時から伝統の味として、代々の板長に受け継がれてきた「鯉こく」。ゆっくりと時間をかけて炊き、骨まで柔らかく食べられる、滋味あふれる一品。

周辺観光のご案内

上高地
年間200万人が訪れる日本を代表する景勝地の上高地。手付かずの自然が多く残り、大自然の宝庫と呼ばれることから、国の「特別名勝」と「特別天然記念物」に指定されている。
http://www.kamikochi.or.jp/

旧開智学校
旧開智学校は、1876年(明治9)に建築され、およそ90年間、小学校の校舎として使われてきた。明治初期ならではの「擬洋風建築」で、重要文化財に指定された。現在は、博物館として、教育や建築に関わる資料を公開している。
http://youkoso.city.matsumoto.nagano.jp/wordpress_index-p_193-htm

店舗情報

  • 所在地
    長野県松本市丸の内7-39
  • 営業時間
    午前11時30分~午後10時
  • 問合・申込
    0263-32-8000
  • アクセス
    JR松本駅から車で約5分 松本城から徒歩約3分
  • WEBサイト
    http://www.mcci.or.jp/www/matukan/